面接の時に「趣味はパチンコです」と言った結果ｗｗｗｗｗ

 そんな自分をつまらなく無価値に思ってた。この堅い殻を破るにはどうすればいいだろうと考えた末が、素直になることだった。
素直になること。言葉にすれば簡単だけど、実際に人に対して自分を素直に出すなんておいそれと出来ることじゃないと身に染みていた。

だから実践するに至るまでは相当な葛藤があった。葛藤を打ち破るためにはパチ屋で大勝を収めるしかなかった。
俺は面接の前日にパチ屋に行った。大好きなガルパンに座った。８万円勝った。だから、俺は決心した。

面接の日。面接官は２人いて、一人がたぶん若い人、もう一人がけっこうな歳で堅物そうな顔をしてた。
俺は堂々と履歴書を提示した。書かれているのは俺の素直な気持ち。８万勝ったおかげで緊張の一つもしなかった。
２人はだまって俺の履歴書に目を通し始めた。どちらも無言だった。はじめに口を開いたのは堅物顔のオッサンだった。
経歴とか当たり障りのないところを聞いてきて俺も普通に答えた。でも趣味のところで、オッサンの口がつまった。

「趣味、パチンコ・・・」オッサンが俺をいぶかしげに見てきた。俺は動じなかった。絶対に俺の姿勢はくずさまいと思った。
しばらく俺が黙ってると若い人が言った。「パチンコなんですね、僕もたまにしますよ」割とフランクに話しかけてきた。
俺はフランクにくるとは思ってなかったので少し動揺しかけた。すんでのところで止めたけど。だから「はい、パチンコです！」
とハキハキ答えた。若い人は笑ってた。なに打つの？って聞かれた。「ＣＲガルパンです！昨日、８万勝ちました！！」
へ～そうなんだ、すごいねってずっとニヤニヤしながら言ってた。俺は表情を固めて流されるものか！とこぶしをにぎりしめた。

「人の趣味にとやかく言うことじゃないけれどね、これ履歴書に書くのはどうかと思うよ」堅物顔のオッサンが言った。
俺はすかさず反論した。
「なぜですか？僕の趣味はパチンコです、本当です。それがいけないのなら、代わりに嘘を書くことになりますが？」
そういった瞬間に堅物顔のオッサンがとたんに険しくなった。「本当だったらよりいただけないねぇ。少なくとも私は好かない」
隣の若い人は「まぁでもそれを書いてくることも勇気じゃないですか」って俺のことをフォローしてた。でもオッサンはため息をついてた。

「僕は素直に生きたいんです。素直に生きれば活力も沸いてくるんです。仕事にも発揮されます。パチンコを打つ際の集中力は誰にも負けません。
仕事はパチンコじゃないけれど、仕事をしていたらパチンコを打てると思うとやる気もみなぎってきます。正直、金があれば仕事はしません。
ここの志望動機だって給与面だけで考えました。落とされたら別のところに行きます。受かっても合わなければ辞めます。どうぞ、ご判断ください」
その瞬間にね、オッサンに不採用だって言われた。若い人はごめんねって言ってた。俺はでもすかっとしたよ。やっと自分を出せたって。